ミャンマーのヤンゴンの賃貸事情


– 概要 –

ヤンゴンにおける不動産マーケットはまだまだ未成熟であり、需要が供給をはるかに上回っている状態 です。従いまして、海外からの居住者が満足できる物件の絶対数は限られており、それら数少ない物件の 家賃の高騰を招いています。他の東南アジアの都市、例えばシンガポールやバンコクでこの賃料なら、、、 という感覚が通じないことを、予めご理解いただきたいと思います。

– 不動産業者と手数料 –

ミャンマーでは誰もが不動産仲介者となり得、専門的な知識も持ち合わせていない仲介業者が 多数見受けられます。さらに法整備が不十分なことが問題を複雑にさせています。なので信頼できる不動産業者と見つけることが良い物件を探す上で重要となります。物件仲介手数料は家賃の1ヶ月分が相場ですが、これも仲介者により様々です。

– 契約期間 –

外資系企業や外国人は、法律上、契約は最長1年までと制限されています。加えてオーナーの多くは、1年未満の契約を嫌がります。契約の延長・更新はできますが、 契約更新前に家賃と期間の交渉が必要となります。

– 印紙税 –

賃借人は、全契約期間賃料の0.5% に相当する額の印紙税を、賃貸契約にサインする前に税務署に支払わなければなりません。不履行と判断されると10倍の罰金を支払わなければならなくなります。賃借人の責任のもと印紙税を支払わなければなりませんので、仲介業者に頼み支払うようにしてください。 追記:印紙税の税率変更に関する周知が税務署内でも徹底されておらず0.5~1.5%までの幅があります。

– 家賃の支払い –

ミャンマーでは、全契約期間分家賃の一括前払いが通常です。家賃を受け取ってしまうと、入居してから起こってくる不具合に対して、我関せずという態度を見せる大家が少なからずいます。企業にとってこの家賃の支払い方法は悩みの種です。家賃の支払いを現金もしくは小切手、しかもUSドルでと、USドルの銀行口座を持っていないにもかかわらず、要求してくる大家もしばしば見られます。幸いなことに、こうした状況は少しずつ変わってきていますが、まだ残っている部分もあることを承知しておいてください。

-手付け金と途中解約 –

物件の仮押さえに家賃1ヶ月分の手付け金を要求されることがあり、その場合は別途手付け金の支払い同意書が用意されます。また、契約期間中途での解約の場合、残りの期間分の家賃は返金されないのが普通です。

– 家具・家電 –

多くの物件は家具付き、もしくは家具付きにすることが可能ですが、賃借人好みの家具が揃っているとは限りません。中には、地元の家具屋で賃借人に選ばせてくれる大家もいます。家電は家賃に左右され、多くの家電 (エアコン、温水器、調理用コンロ、冷蔵庫、洗濯機、衣類乾燥機等) は大家と交渉して揃えてもらうことになります。高価格家賃の物件を除き、オーブンと食洗機は付いてきません。

– 電気ガス水道代 –

これらはサービスアパートを除き通常家賃には含まれません(サービスアパートでも上限が設定されています)。コンドミニアムのように管理事務所を置いている場合は、そこに現金で支払えば済みますが、それ以外は、賃借人が自分自身で公共料金事務所に支払いをしなければなりません。

– 有料テレビとインターネット –

サービスを提供してもらうよう交渉しますが、家賃には含まれないのが通常です。物件によりますが、管理事務所に料金を払うか、業者による訪問集金への現金払い等様々です。まだまだインターネット接続やネットワークは安定していません。

– 停電 –

ミャンマーでは頻発しますので、備えのインバーター、電圧安定器、非常用発電機は賃借契約交渉にはとても重要となります。比較的に新しいコンドミニアムや高価格家賃の物件には、これらが備わっていることが多いです。

– 病害虫 –

ゴキブリを含む病害虫はヤンゴン生活の一部です。ほぼどの価格帯の物件でも見られます。特に雨季の蚊には注意を払いましょう。

家賃ガイド

– USD1,000/月未満

この価格帯は、市中心から離れている、最低限の設備しか備わっていないのどちらか、もしくはその両方という物件になります。例えば、温水器が無い、調理用コンロが無いとか、非常用発電機も無い場合が多く、地元の人たちの多く住むエリアに位置していることが挙げられます。特に注意が必要なのは水周りです。水漏れ、低水圧に排水の悪さを承知しておくことが賢明です。

– USD1,000 – 2,500/月

130 – 200平米のコンドミニアムがこの価格帯に入ってきます。多くが寝室数3で、物置スペースや
メイド部屋はありません。トイレは西洋タイプですが、仕切りのないシャワースペースが付随し、良くない排水により、シャワーを使用するとトイレスペース全体が濡れます。温水の出るキッチンは少なく、ガスより電気による調理用コンロが主流です。プロパンガスのため、そのボンベのスペースが必要です。十分すぎるほどの広さの部屋で、暑季におけるエアコン対策に不安が残ります。地元業者により建てられた物件も多く、入居する前までは地元の人が住んでいることも多く、適度な広さの部屋を無理やり2つに仕切り、1つをお祈り部屋にして利用していることもあります。

– USD2,500 – 5,000/月

上記2つの価格帯に見られた難題はまだ見られますが、選択の幅が下記のように広がります。

コンドミニアム

上記より若干広め200平米を超え、物置スペースやメイド部屋を備えます。家賃が高い分それなりの物が備わってきます。

一戸建て住宅

この価格帯より一戸建て住宅が選択肢として入ってきますが、これまでの価格帯で述べたような難題(温水器、停電対策、病害虫、インターネット環境、水圧、水漏れ、排水等)は普通に見られると思いましょう。

サービスアパート

ヤンゴンでの限られたオプションの中、この価格帯の上位USD4,000/月以上の家賃になってくると、ようやくSAKURA RESIDENCE やGolden Hill といったサービスアパートの選択肢が出てきます。それでも寝室数1ですが。もし毎日の通勤時間に目をつぶることができるのなら、Pun Hlaing Golf Estate や Star City は一考の余地はあるでしょう(Star cityには USD1,000 – 2,000の物件もあります)。サービスアパートでは、多くの難題からは解放されますが、まだまだヤンゴン市内では限りがあります。

– USD5,000 – 10,000/月 –

より広く、質も高くなりますが、これまでに見られた難題から解放されるかというとそうでもありません。この価格帯からはコンドミニアムも一部ありますが、コンドミニアムのほか 一戸建て住宅 も選択肢に入ります

一戸建て住宅

300平米を超え、広さに関しては問題ありません。多くの寝室に浴室が付いており、メンテナスに関しては専門のスタッフを雇うことで解決できます。料理や掃除をするメイドやゲートを守るセキュリティは考慮するべきでしょう。これ以外に庭師も必要かもしれません。こうした人員はオーナーを通じて手配してもらえますが、要望等のやり取りが煩わしく、それよりもメイドやセキュリティ人員の紹介をしている会社に頼むのが賢明です。一般的にヤンゴンの治安は良く、住む人々も実直ですが、安心してはいけません。こうした人員の管理が余計な負担となり、ヤンゴンで大きな一戸建てに住む人が、次に述べるサービスアパートへと移ることがしばしば見られます。

サービスアパート

相変わらずオプションが少ない中、それでも Shangri-La Residence やより広い Golden Hill 及 びLotte Serviced Apartment、そして ペントハウスも備える Pun Hlaing Golf Estate などが USD6,000 – 8,000 の価格帯であります。家賃にどのような費用を含めるか(ただし、電気代やクラブハウス会員料は概ね別)によって違いますが、これまでに 見てきたコンドミニアムや一戸建て住宅での難題からは確実に解放されます。

契約のプロセス

1. 賃貸交渉

  • 契約開始日の確認
  • 家賃、家具その他(有料テレビやインターネット等)の交渉

注意:何事もミャンマーでは交渉で決まります。MRSは様々な制約のある中で最善の交渉をいたします。中には多少余分に払うことによって家具付きにできたり、より良いオーナーに出会えることができたりします。特に家具の交渉では、期待に添えない低い質の家具付きで落ち着くことがあります。

2. 手付け金支払い同意書(早い段階で良い物件を見つけられた時)

  • 同意書には、契約開始日、家具その他の要望について確実に明記する。
  • 賃借人は手付け金(通常家賃1ヶ月分)を小切手もしくは現金で支払う。

注意:希望する物件が早めに見つかった場合は、この手付け金支払い同意書を取り交わし仮押さえすること。

3. 印紙税の支払い

  • 賃借人は印紙税の支払いに、オーナーは物件所得税の支払いに責任をそれぞれ負う。
  • 契約書にサインする前日には、印紙税の支払いを完了する。
  • 印紙税は、全家賃額の0.5%。
  • MRSが印紙税の支払いの手配をします。

4. 契約書サインと物件引渡し

  • 手付け金支払い同意書に明記された全てについて、入居時立会いにおける点検リストにてチェックし、不備がないことを確認する。MRSコンサルタントが次に挙げる項目についても説明申し上げる。
  • インターネット接続状況
  • 有料テレビ接続状態
  • 飲料用水ボトルの配送オプション
  • ゴミの出し方

5. 家賃の支払い

  • 手付け金以外の残りの家賃の一括前払いは、契約書にサインされた時点で支払う。
  • 小切手払いの場合は 引き出し額上限が1回USD5,000までで週USD10,000までとなっているので注意する。
  • 事前にMRSまで支払い方法をお知らせいただけますと、支払い期日をオーナーに確認できます。

最後に日本では使えて当たり前と思われているインフラ(給排水、電気、インターネット等)はどのような物件でも問題が発生する可能性があること及び建物のクオリティが高くないため日本では考えられない問題が発生する場合がある事をあらかじめご理解ください。